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The Smiths

Johnny MarrThe Smithsを聴いていると、"もし10代の多感な時期に聴いていたら"とふと思うことがある。
子供の頃、転校したことにより周りの世界が180度変わった気がした。それまでは小さな頃から気の知れた友達に囲まれていて、今更「自分はこういうやつなんだ」などと分かってもらう必要はない。しかし転校すると、誰も自分のことを知らない環境。
サラサラヘアーで女の子に間違われやすく、しかもピアノをやっている少年が、ある日突然知らない坊主頭の中に混じって過ごすことは、なかなかヘビーなものがある。
「草食男子」なんて言葉が流行った昨今にしろ、結局のところ、この国ではマッチョイズムが主流だと思う。(だって、「草食男子」って言葉が生まれること自体、「男は男らしいのが当たり前」って固定観念があるからじゃないですか? 逆に「肉食女子」だってそうでしょう。)
"男は男らしく、強くたくましくあれ"と教育される。逆に言えば、世の中の男性のほとんどは、自分が"弱い"と見られたくないといった感情を、小さな頃から植え付けられているのではないだろうか。
しかし本当の"強さ"とは一体何なのだろう?

プロレスラーなどには、小さな頃非力で苛められたという人が少なくないといった話を聞く。あるいは彼らにとっては、肉体を鍛え上げ相手を打ち負かした時、初めて"強くなった"と感じるのかもしれない。

The Smithsがはたした功績とは、そういったマッチョイズムを根本からひっくり返したことだと思う。

「神様だけが僕をみじめだと知っている」(by Heaven knows I'm miserable now )
「僕は人類のお仲間には入れてもらえない」(by Bigmouth Strikes Again)
「あなたの横で死ねるなんて最高の喜びだ」(by There Is a Light That Never Goes Out )

あえて自分の弱さをさらけ出すことで、世の中の"強き"と思われている男根主義に対抗したのだ。モリッシーの生み出す詩は、一見女々しいけれども、"自分を見つめることができる強さ"、"自分の弱さをさらけ出すことができる強さ"を感じる。僕にとってモリッシーという人は、プロレスラーや世間で男らしいと言われている人以上に"強さ"を感じる人だ。

しかし。
The Smithsというバンドは、非常に危険をはらんでいるバンドだとも思う。溺れすぎると、足下をすくわれてしまうような気がしてならない。このようなバンドは、現在のミュージックシーンにはなかなかいないのではないだろうか。
oasisが後継にあたっていたのかもしれないけれど、眉毛兄弟が「オラオラ、一緒に行こうぜ~」みたいに肩を組んで引っぱって行ってくれるようなノリに対し、Smithsは、こちらの手を握りそのまま地面に引きずり込んでしまうようなイメージ。

もし10代の時に出会っていたら、激しくのめり込んでいたかもしれない。
しかし僕が聴いた時はすでに20歳を過ぎ、バンドもはるか昔に伝説になっていた後だった。この天才なのか変態なのか判断に迷う人に傾倒するには、歳をとり過ぎていたのだ。
むしろ僕の心を惹きつけたのは、モリッシーの横に映っている、常に"我関せず"とギターを弾く人物、ジョニー・マーだった。

いわゆる"上手い"ギタリストというのは、チョーキング等でうねうね、ぎゅいんぎゅいんさせたり、人間業とは思えない速弾きをすることが多いのだけれど、ジョニーのギターはあくまでコード(和音)主体で、ソロはほとんどとらない。ピアノで伴奏しているようなギターを弾く。

まるで、世の中の"男性的"なギターに反骨するカウンター・カルチャーのようにも感じる。彼らのライブ・アルバム「RANK」を聴けば、ジョニー・マーというギタリストがいかに内に凶暴なものを秘めているか分かる。約一名、異様に上手いギタリストがいるパンクバンドといった感じだ。

そして、ヴォーカリストが声に心を込めるように、ジョニーはギターに感情を込める。
彼がギターを奏でると、そこにはたしかにモリッシーが「神様だけが僕をみじめだと知っている」と言葉で表現するのに匹敵する"切なさ"を感じるのだ。
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