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The Police 東京ドーム(2008.2.14)

「なんでバンド名にポリスなんて付けるんだ?」
村上春樹氏の小説の中に出てくるこのセリフに共感して、今までPoliceを敬遠していた。
けれど最近聴いてみたところ、いやどうして、なかなか好みだ。
U2のような解放さやRadioheadほどの内省さがなく、その中間地点的な音と言えるだろうか。発表した5枚のアルバムどれも違う良さがあり、聴けば聴く程味わいがある。
という訳で2月14日木曜日、再結成ライブに行って来た。

会場に入ると場内は既に真っ暗。スティングの息子率いるFiction Planeというバンドが前座として演奏している。
うーん、悪くはないが別段飛び抜けたものもない。いや、でもスティングの息子なのだから何かしら揺さぶられるものがあるのではとしばし聴いていた。が、あきらめて飲み物などを買いに行く。

7時40分、開演。
3人が現れ、ステージには何の演出も装飾もなく「Message in a Bottle」が始まった。
きっとこの日集った観客の多くは、この時点で感無量だったかもしれない。しかしノスタルジーが一切ない僕が客観的に思った事は・・・。

なんて音が悪いんだ。
もちろん原因はPoliceではなく東京ドームの音響にある。ここの音がひどいことは過去のライブで承知していたけれど、全く改善されていない。不思議なのは、前座のFiction Planeの方がまだ良かったことだ。おそらくPoliceはメインアクトだから、ボリュームを大きくしたことによって音が反響しているのではないだろうか。3人の出す音がズレて聴こえてくる。

一抹の不安を感じたけれど、2曲目、「Synchronicity II」。
スクリーンにメンバーの顔が映り、アルバム「Synchronicity」のジャケットでおなじみの青、黄色、赤のストロークが鮮やかに飛び回る。
俄然気分が盛り上がった。結局、東京ドームという所は好むと好まざるとに関わらずこういったエンターテインメント的演出の方がマッチするのだろう。

「Walking on the Moon」「Voices Inside My Head」「When the World is Running Down」「Don't Stand So Close to Me」「Driven to Tears」「Hole in My Life」と代表曲が続いていく。
スティングの声はなんて若いんだろう。50代後半にも関わらずタンクトップで腕も露にしているし、日頃の鍛錬を伺わせる。

3人だけだから複雑な編成の曲は無理かもしれない(たとえば「Synchronicity I」とか)。
そう思っていたから、「Every Little Thing She Does is Magic」をやってくれた時は嬉しかった。

メロディはキャッチーだけれどアレンジによって一筋縄ではないポップ・ソングになっているこの曲。ライブでは3人だけのシンプルな演奏に生まれ変わった。煌めくようなアルペジオを奏でるアンディ・サマーズのギターが素晴らしい。まるでジョニー・マーだ。

続く「Wrapped Around Your Finger」ではスチュワート・コープランドの独壇場。
様々なパーカッションを自在に操り、所狭しと動き回っている。
カリスマ性あるスティング、多彩な音色を聴かせるアンディ・サマーズ。けれど僕が最も心奪われたのは、実はこのスチュワートだ。
切れ味鋭く弾けるようなアタック。力強いけれど、決して重くない。
The Whoのキース・ムーン、Stone Rosesのレニなどと共に、一気に自分の中の名ドラマーに殿堂入りした。

「De Do Do Do, De Da Da Da」「Invisible Sun」「Walking in Your Footsteps」「Can't Stand Losing You」と流れていき、「Roxanne」で本編終了。あっという間だった。

曲が進むにつれスティングもさすがに高音が出なくなっていた。
途中、手拍子を求めたり観客の声を仰いだりするのはポール・ウェラーあたりが嫌うところだろうし、僕も苦手だったりする。どうせだったらU2のBONOのように恥も外聞もなくやってほしいところだけれど・・・。

アンコールは僕がいっとう好きな曲「King of Pain」から始まった。
「So Lonely」と続き、誰もが一度は聴いたことのあるはずの「Every Breath You Take」。ベタな曲だが、馴染みの良いメロディが染みてきて感動した。と同時に、否が応にもライブ終焉の気配が漂ってきて激しい寂寥感に襲われる。

そんな感傷的な気分を許さないように、最終曲はアルバム1stの1曲目「Next to You」。
全体的に、アルバムで言えば3枚目以降の曲の方が当時との落差がなく素晴らしかったように思う。しかし、「Message in a Bottle」「So Lonely」「Next to You」といった初期の名曲には正直切れ味の足りなさを感じてしまった。それは今のU2が「I Will Follow」をやってもかつてのようには響かないように、バンド初期の緊張感や衝動といったものが求められる曲は当時の音との落差を感じてしまう。

僕も含め、平日にも関わらずここに来たほとんどの人が何度でもアンコールで出て来てほしいと願ったはずだ。だから場内の明かりが付いた時はため息と共に会場全体が寂寥感に包まれた。
それはたぶん、Policeを見れるのはこれが最後だとほとんどの人が感じていたからだろう。

祭りの後って苦手だ。
感動したし素晴らしいひと時を過ごすことができたけれど、半面僕はどうしようもなく孤独を感じてしまった。

よく日本のミュージシャンが「僕は孤独で~」なんて歌っているけれど、なんて甘ったるい曲だと思う。
Policeの「Message in a Bottle」の歌詞は、無人島に漂流した男が「誰か僕をこの孤独から救って」というメッセージを入れたボトルを流したら、ある日1千億本もの孤独のメッセージが入ったボトルが流れ着いたというもの。

これは「孤独なのは君だけじゃない」という救いとも、「自分だけが孤独だと思うな」という皮肉ともとれる。
そういった文学性が好きだし、初期の頃のライブアルバムでスティングが「 I feel so lonely!」と切羽詰まったかのように叫ぶのも心が震える。
アートに昇華した孤独、魂の叫びによる孤独にシンクロすることで、我々は他人との孤独の共有が可能になる。

けれどこの日の「Message in a Bottle」からは、”みんな孤独なんだ”というメッセージが入ったボトルは流れて来ない。「So Lonely」では、”俺は孤独なんだ”という身を切るような叫びが聴こえてこない。
逆に「De Do Do Do, De Da Da Da」の合唱には幸福な気分になったし、「Wrapped Around Your Finger」のようなミュージシャン性を感じられる曲には魅入ったけれど、終演後何だか心にポッカリ穴が空いてしまった。
帰り道、一人電車に揺られながら頭の中を「King of Pain」が流れ、僕はこれ以上ないほど孤独だった。

けれどこの日を境に僕の中で変わったこともある。
The Police。
なんてかっこいいバンド名なんだ。
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