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ColdPlay 日本武道館(2006.7.19)

その日まで、僕のコールドプレイに対する思いは微妙なものだった。
悪くはないけど、深い所までのめり込めないバンド。
彼らがデビューした当初、やたら「ポスト・レディオヘッド」と言われていた。実際、彼らの名曲「Yellow」は、レディヘの「High and Dry」がなければ生まれなかった曲だと思う。
「僕はいじめられっ子だったんだ。皆が僕のことを嫌いだったように、僕も自分が嫌いだった。」
これはフロントマン、クリス・マーティンの言だ。
いじめられっ子の特徴として、強迫観念に駆られる傾向がある。どうもクリスを見ていると、「~しなければいけない」という思いにとらわれているに感じる。
以前TVのインタビューで、クリスが地球儀を指差して、「これには僕らの世界征服の夢が表されてるんだ」と言っていた。冗談などではなく、本気で。

そう、最近のコールドプレイとクリスを見ていると、世界一になろうとしている、つまりU2に、BONOになろうとしているのがひしひしと伝わってくるのだ。
タチの悪いことに、当のBONO自身もクリスのことを自身の後継として支持しているのだから。

2005年、彼らの3rdアルバム「X&Y」が世界で最も売れたアルバムとなった。
しかし、U2の3rd「WAR」、レディオヘッドの3rd「OKコンピューター」が極めて挑戦的で挑発的なのに対し、「X&Y」は耳に馴染みやす過ぎる感がある。そこらへんが、耳の肥えたファンから批判される原因だろう。個人的には嫌いなアルバムではないけれど。

考えてみればクリスのヴィジュアルも、トム・ヨークからBONOへと変貌しているように感じるのは僕だけだろうか?
受験に何度も失敗した浪人生のようなデビュー当時のビジュアルもどこへやら、某ハリウッド女優と結婚しセレブ化が進行中のように思われる。

などと複雑な想いを胸にライブ会場へ。

ステージ後ろのスクリーンにデジタル時計のカウントダウン。否が応にも気持ちが昂る演出だ。
1曲目、「Square One」。静かなオープニングから、クリスのシルエットと後ろのスクリーンの色が絶妙にマッチし、サビの盛り上がりでビョーンとジャンプ!

やられました。U2好きであれば、この演出にやられない人はいないはず。カメラアングルを意識したパフォーマンスは、まさにBONOの十八番。つかみは OKってとこだ。

2曲目は「Politik」。彼らのライブがすばらしいのは、2ndと「Live 2003」の「Politik」を聴き比べれば一目瞭然だ。
3曲目にして、早くも「Yellow」。巨大な黄色い風船が武道館を舞い、ファンタジックな空間に。続いてプラネタリウムのように星が会場中を流れた「Speed Of Sound」。

これ、もうクライマックス? しょっぱなからグレイテスト・ヒッツのような完璧すぎる選曲。

「ミンナ、サイコウ」
「ミンナ、イイヒト」

「ココニコレテ、ウレシイ」
「モットニホンゴ、ハナセタライイノニ」

所々で挟むクリスの日本語MCも泣かせる。
それにしてもクリスのクネクネとした妙な動きにどうしても視線がいってしまう。無駄に体力消耗すると思うのだけれど・・・。
もしクリスがサッカー選手だったら、「そこーっ! 無駄な動きが多い!」と叱責されてレギュラー剥奪間違いなし。

「God Put A Smile Upon Your Face」、「What if」、「Don't Panic」と経てようやく落ち着いてきた。続いて「White Shadows」では地を這いながら歌うクリスの表情がスクリーンにアップ。 「The Scientist」では荘厳なピアノの音とクリスの声が響き渡る。「Til Kingdom Come」と続いた後、メンバーがステージ前方に出てきてアコースティックコーナー。ジョニー・キャッシュのカバーである「Ring Of Fire」 、そして「Trouble」を演奏。

はるばる異国の地に来て、メンバーが寄り添うように演奏する姿に感じるものがあった。
この「バンド・ファミリー」とでも言うべき姿は、まさにU2しか持っていなかったもの。
なるほど、彼らがU2チルドレンと言われるのは、音などではなく、ここにあるのだと思った。

そしていよいよ本編クライマックスに突入、「Clocks」。曲終盤は原曲と大きく異なり、クリスのピアノが不協和音を奏で、右から左へ流れる光の映像とあいまって、時間が加速してゆくようなめまいを覚えた。途中、クリスがピアノに向かったまま体を後ろにそり返し、ブリッジみたいな意味不明なポーズ。

ちなみに翌日、僕はこれを家で真似してみた。椅子が倒れて、激しく転げ落ちた。大けがするところだった。

反則的にメロディックな「Talk」で本編終了。もう、全曲大満足の選曲。

アンコールは「Swallowed In The Sea」で始った。
そして、ああ、この曲をやっていなかった、「In My Place」。硬派な2ndアルバムの中で聴くとやや単調な印象を受けるこの曲は、やはりライブで演奏してこそ生きてくる曲だ。
これでクリスが客席まで走ったらまさにBONOだなと思っていたら、なんと本当に降りてきた、しかも自分のすぐそばにっ!
肉眼ではっきりとわかるクリスの表情。

そういえば以前ストロークスを見に行った時も、ジュリアンが僕の目の前に降りてきた。僕が見に行くと必ず目の前にアーティストが来るという事実が、これで判明。

最後は、当然「Fix You」。曲が終わるとメンバーが抱き合い、オールディーズのような曲がムードを盛り上げ感動的なラスト。普段はライブが終了すると混むのを恐れそそくさと帰るのだけれど、あまりにも感動してしまって、椅子に座り込みしばし呆然としていた。

たくさんの人たちが集まって、1つのものに集中している。
その中で、我々1人1人は圧倒的なまでに孤独な存在。でも、だからこそ、孤独で「寂しい」と感じることができるから、誰かを愛おしみ、大切にすることができる。
TVのニュースを付ければ、汚い人間が人の気持ちを無視した汚いことをしている。その人たちは心が麻痺して、もう何も感じることができなくなったのかもしれない。

今日のライブは、孤独であることさえすばらしいものに変わってしまう、魔法のような空間だった。
個人的には、今まで見たライブの中でベストと言っても過言ではないと思う。

何より、クリス・マーティンの汗びっしょりになって人を楽しませようとする、純粋なエンターテイメント精神に感動した。
翌日以降この日の余韻にやられ、追体験するかのようにほぼライブ曲順通り聴きまくり状態。

癒しなのか病いなのか。

ただ、気になることもある。
2000年以降のU2が、初期のシンプルさと後期の華やかさを混ぜ合わせたステージへ以降した過程。
その底辺にあるのは、「POP MART」で拡大し過ぎた演出の反省だ。
コールドプレイは、U2が自ら反省した段階をスルーして、後期の面をそのまま取り入れた感がある。だからあまりに完璧すぎて、彼らの今後に不安を感じなくもない。

とはいえ、「いじめられっ子クリスの世界征服の旅」を、楽しみに見守っていきたいと思う。彼になら征服されてもいいはずだ、きっと。
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